小津安二郎生誕120年Celebrating the 120th Anniversary of Ozu Yasujiro’s Birth

黒澤明、溝口健二とともに、日本映画の三大巨匠の一人として数えられ、世界の映画人から高い評価を得ている映画監督「小津安二郎」。小津は生涯を通じ家族を題材とし、親子の関係や家族の解体などのテーマを描き、いつの間にか時代を超え、国を超えて普遍性を持った映画として人々に感動や愉しさを表現しつづけた監督です。
英国映画協会(BFI)出版の「Sight&Sound Magazine」が、2022年に発表した『史上最高の映画100選』で『東京物語』が日本映画最上位の4位に選出され、カンヌやヴェネチアなどの国際映画祭でも数多くの作品が上映されてきました。国内外の多くの映画監督が小津監督に敬意を表し、その影響を受けています。




昭和29年夏、『東京物語』を撮り終えた小津安二郎監督は、コンビを組むシナリオライターの野田高梧氏の蓼科の山荘「雲呼荘」を初めて訪れました。八ヶ岳の山麓に拡がる高原の自然と霊気にふれて、たちまち蓼科を気に入り「水がうまい。洒がうまい。空気がうまい。」と、心からこの地を愛し高原の生活を愉しみました。そして、何よりも仕事に打ち込みました。蓼科は小津映画のこころのふるさとであり、『東京暮色』(1957)、『彼岸花』(1958)、『お早よう』(1959)、『浮草』(1959)、『秋日和』(1960)、『小早川家の秋』(1961)、『秋刀魚の味』(1962)の晩年全ての作品が蓼科で生まれました。

2023年12月12日に小津安二郎監督は生誕120年を迎えます。





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